医療にたらればはないという話

セカンドオピニオンで東京女子医大に行った際、先生から、医療にたらればはないという話をされました。過去を悔いても意味がないので、目の前の状況に対して最善を尽くしなさいということでした。

医療にたらればはない

医療にたらればはない、これはセカンドオピニオンで東京女子医大に行った際にM先生から言われた言葉です。基本的に人の体というものは時間の経過とともに変化するものであり、過去に遡って元に戻せません。病気も同じで、現状から良くなることはあっても過去の状態には戻せません。なので、あの時こうしていたらなどと思ったとしても、どうしようもないのが現実です。

僕は、脳腫瘍が見つかった後、7年もの間、手術を決断できずにいました(詳しくは、こちらの記事)。東京女子医大に来た時には、これ以上手術を遅らせられないギリギリのところまで来てしまっていました。当然、もう少し早く手術できていたらリスクも減ったと思いますし、体への負担も少なく済んだはずです。

そういった状況だったので、M先生は、僕にもっと早く手術を決断しておけばよかったという考えを持たせないように、医療にたらればはないという話をしてくれたのだと思います。治療する上で僕がやらないといけないのは、今の目の前の状況に対して最善を尽くすことだということを強く言われたのを覚えています。

あえてたらればの話をする

医療にたらればはないという話をしておいてなんですが、ここではあえてたらればの話をしようと思います。たらればの話をすることで、かつての自分と同じような状況にある人の参考になるかもしれないと思ったからです。

もし僕が過去に戻って自分の行動の何かを変えるとしたら、もう少し早いタイミングでセカンドオピニオンを聞きに行けたら良かったかなと思います。実は、最初に診てもらっていたS大学病院では、病理検査をしないと正確な事は言えないとしながらも、腫瘍については良性のようなものという表現で説明を受けていました。悪性という表現は使わなかったと記憶しています。

その時の先生としては、患者のショックを和らげようという考えだったのかもしれません。ただその説明を聞いて、僕は、もしかしたら良性の可能性もあるのかなという認識を持ってしまいました。前の病院に通っていた頃はまだ、受身の姿勢でいたので、説明に対して自分から質問したりするでもなく、そういうものなのだろうと受け取ってしまっていたからです。

ですが、東京女子医大にセカンドオピニオンで話を聞きに行った際、M先生はMRI画像を見てグレード2(悪性)でしょうと言いました。ここで初めて、良性の可能性はないんだと認識しました。

この時にM先生が見た画像はS大学病院から提供してもらったものなので、同じ情報を見て、良性に近いとオブラートに包んだ言い方をする先生と、悪性でしょうとストレートに言う先生が居るということになります。

S大学病院に通っていた時の僕は、あまり主体的に自分の病気に関われていなかったと思います。悪い情報に触れることを嫌い、知識を取り入れることにも消極的でした。その結果、S大学病院の先生がオブラートに包んだ説明のしかたをする人だったことも相まって、より正確に現状を認識することができていませんでした。

正確に現状を認識していれば、もう少し早く手術を受けたかも知れません。なので、今思い返すと、もう少し早くセカンドオピニオンを聞いておいた方が良かったのかもしれなかったかなと思います。

たらればを思い浮かぶことはあっても後悔がない理由

たらればを言いたくなる気持ちというのは、言い換えると後悔している状態ということになるかと思います。なので、前述したようなたらればを書くと、後悔があるかのように受け取る人もいるかもしれません。

でも、僕自身は特に後悔しているわけではないです。早い段階で女子医大で覚醒下手術をしていたらパニックになってしまい手術に耐えられなかったかもしれません。苦手なMRIを克服する過程でマインドフルネス等の知識を得たおかげで、なんとか手術を乗り切った感もあります(詳しくは、こちらの記事)。

7年という時間は準備をするために必要だったのだろうという気もしていますし、いろいろな経過を辿りましたが、僕自身は、なるようになった結果が今の状態であると考えています。

そのように考えられるのも、ある程度「今」に集中できているからかもしれません。後悔というのは、ある意味、意識が過去に囚われている状態だと思います。ちなみに、不安は、意識が未来に囚われている状態です。今に集中できていると、過去に意識が囚われることがないので後悔を感じにくいのではないかと思います。過去を後悔するのもしないのも、今の心の状態によるものだと僕は考えます。

そのように考えるようになったのは、手術の時、目の前のことに集中していて後悔や不安をほとんど感じることがなかったという実体験があるからだと思います。目の前のことに集中するのが、すごく大事なんだなと感じることができましたし、それができていれば、あまり後悔なくいられるのかなと思うようになりました。

この記事は個人の体験に基づいて書いたものです。病状などは人それぞれ異なるものなので、気になることがあったら必ず、主治医に確認してください。本ページについてご質問等ありましたらお問い合わせページからお願いします。

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