【10】脳腫瘍の覚醒下手術(その3)(手術中に手が動かなくなる〜ついに、手術終了)

これは、脳のがんとも言われる脳腫瘍(G2、乏突起膠腫)を患ったときの体験記です。2015年7月に東京女子医大で脳腫瘍の覚醒下手術をしました。術中に手が動かなくなる感覚があったり、プチパニックに慌てたりしました。ここでは、手術中に訪れたピンチと、手術終盤に行ったMRIから手術終了に至るまでについて書きたいと思います。
(※覚醒下手術とは意識がある状態で腫瘍の摘出を行う手術のことです。参考までに、こちらの記事もどうぞ)

手術中に手が動かなくなる

脳腫瘍の覚醒下手術(その2)でも書きましたが、手術中、左手の動きを確認するために手を開いたり閉じたりするよう指示されました。確認は間をおきながら何度か行われました。最初のうちはちゃんと動いていたのですが、ある時から「あれ?動いていないんじゃないかな?」と思うようになりました。動かそうとしても指が動いている感覚が感じられませんでした。なので、先生から手を動かす指示を受けたとき「動かしている『つもり』です」と伝えました。

手術前、手が動かなくなることがあるかもしれないということは聞かされていました。リハビリをすれば動かせるようになるので、そうなったとしても気を落とさないようにとも言われていました。その時は、落とさずにいられるかなぁと思いました。だけど、いざそうなってみると意外にも動かなくなったという事実を淡々と受け入れていました。リハビリして本当に動くようになるのか?といった不安は思い浮かびませんでした。この時は手術を乗り越えることに精一杯だったので、不安になったり落ち込んだりせずに済んだのかなと思います。

手術中、唯一のピンチ

手術中に一度だけ、不安に襲われてパニックになってしまうのではないかと思ったことがありました。その時は呼吸が浅くなってしまっていたのか、話すとき息苦しいなと感じていました。

結局、呼吸しづらいななどと考えたりしているうちに、集中力が切れてしまい急に不安が襲ってきました。「深呼吸しなきゃ」と思い、急いで大きく何度も深呼吸をしました。先生も変化に気づいたのか「どうした?」と聞いてきました。しばらく深呼吸を繰り返して落ち着きを取りもどした後、「ちょっと不安が増してしまって・・・」と答えました。

結構慌てましたが、なんとか不安な気持ちを抑えられてホッとしました。今思えば、息苦しいと思っていることをしっかり伝えて呼吸を整える時間を持てば良かったです。

手術終盤、術中MRI

先生から「MRIやるよ」と声をかけられました。MRIをするということは終わりが近づいてきたということです。MRIの結果を見て腫瘍が十分に取り切れていれば終了、不十分であれば摘出とMRIを再度行うとことになっていました。時間感覚がなくて、覚醒してからここまで早かったのか遅かったのかもよくわかりませんでした。ただただ必死だったので、そういった感覚が麻痺していたという感じです。この後、寝てしまっていたのか記憶がなくて、次に気づいたのはMRIの撮影中でした。ガーガーといったMRI特有の騒音がする中「いつの間にかMRIが始まってたんだなぁ」と思ったのを覚えています。これが術中で覚えている最後の記憶です。

ついに、手術終了

「終わったよ!」という先生の声で目が覚めました。MRIの時の記憶を最後に、先生の声で目が覚めるまでのことは意識がなくなってしまっていたのか何も覚えていませんでした。その後「ICUに行くよ」と言われ、スタッフの皆さんの「せーの」という掛け声とともに手術台からストレッチャーのようなものに乗せ替えられてICUへ移動しました。

手術が終わってみても意外と実感がそれほど湧いてきませんでした。良かったとか、安心したとか、ほっとしたというよりかは、「あ、終わったんだな」くらいの感じでした。クタクタで何も考えたくないといった状態だったのかもしれません。9時頃に始まって10時間ほどの長い戦いでした。さらに言えば2008年8月に病気が見つかって7年の時間をかけて、これでやっと一つ区切りつけられたのかなと思います。

この病気を通して自分の考え方というか、大げさに言うと人生観みたいなのが変わったと感じることがあります。なので自分にとって2015年7月6日は、新たな一歩を踏み出した日となったように感じます。ここから先もまだ病気との付き合いは続きますが、とりあえず無事に手術を終えることができて良かったです。

脳腫瘍の覚醒下手術(その1)(手術室へと向かう〜全身麻酔から覚醒)
・手術室へと向かう
・手術準備開始
・全身麻酔から覚醒

脳腫瘍の覚醒下手術(その2)(覚醒下ではこんな事が起きていた)
・覚醒下ではこんな事が起きていた

この記事は個人の体験に基づいて書いたものです。病状などは人それぞれ異なるものなので、気になることがあったら必ず、主治医に確認してください。本ページについてご質問等ありましたらお問い合わせページからお願いします。

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