2020年2月20日のCNNのウェブに「脳の手術中に患者がバイオリンを演奏」という記事が掲載されていました。
実際のCNNの記事はこちら( https://www.cnn.co.jp/fringe/35149662.html)です。
これは僕自身が受けたのと同じ脳腫瘍の覚醒下手術というものです(参考記事:【10】脳腫瘍の覚醒下手術(その1)(手術室へと向かう〜全身麻酔から覚醒))。参考記事にも書いた通り僕も手術中に執刀医と会話したり、手を動かしたりするという経験をしました。
ただ僕の場合は、意識が少しぼんやりとしていたのでバイオリンを演奏するなんてとてもできるような状態ではありませんでした(もともとバイオリンはできませんが、仮にできたとして)。ちなみに意識がぼんやりとしていたのは、恐怖心を緩和するためにあえてそうしてもらっていたからでもあります。
なので、この方が普段通りにバイオリンが弾けるくらい意識がはっきりとしていたのだとすると、手術に対する恐怖心も自分の力で乗り越えないといけないといけないので、それも大変そうだなと思いました。バイオリンへの情熱がそれを乗り越えさせたのかもしれませんね。
そう言えば、僕が手術の説明を受けた際、職業を確認されたのを思い出しました。手先を繊細に動かす必要がある職業の場合、麻痺などが原因で仕事に影響がでてしまうからです。
実際、手術後5年くらい経ちますが、まだ左手はほんの少しだけ動かしづいと感じることもあります。パソコンを使用するくらいなら全然問題ありませんが、それこそバイオリニストとかだったら死活問題だっただろうなと思います。
記事によると、運動機能には影響がなく演奏するのには問題がないとのことだったので、覚醒下手術のメリットが生かされたなと思いました。
ところで、この記事の中で手術中にバイオリンを弾いたこと以上に僕が驚いたことがあります。それは、手術の3日後に家に帰ったと書かれていることです。
僕の場合、手術の3日後はまだ、ご飯を食べることもままならず体を起こすのもしんどいといった状態でした。普通の人は覚醒下手術のインパクトが強い記事なんだと思いますけど、僕にとっては3日後に家に帰っていたことが一番の驚きです。
自分の場合、1ヶ月弱入院してましたが、それでも退院するときには、もう少しリハビリしてからにしたいなと思いました。3日で退院できるくらい本当にピンピンしていたらいいのですが、心理的には早すぎるのも不安だなと思ってしまいますね。