大橋トリオの曲に支えられて病気と向き合う

僕は、2008年に脳腫瘍の告知を受け、2015年に覚醒下手術をしました。その間に、病気になったことが一つのきっかけとなって大橋トリオというアーチストにハマり、そして大橋トリオの曲に支えられながら病気と向き合ってきました。

※大橋トリオとは
大橋好規(よしのり)によるソロプロジェクト。歌だけでなく、ピアノ・ギター・ドラム・ベース全ての楽器をこなすマルチプレイヤー。作曲も手がける。
ホームページ(https://ohashi-trio.com/

腫瘍を摘出されながら大橋トリオの歌を聴く

僕が受けた脳腫瘍の摘出手術は、意識がある状態で腫瘍を摘出する覚醒下手術というものです(詳しくはこちら)。この手術では、患者がリラックスした状態でいられるかどうかが、重要な要素の一つとなります。手術中に患者がパニックになってしまうリスクがあるからです。そのため、手術中に患者が少しでも気持ちを落ち着かせられるような環境を作る必要があるということでした。

その対策の一つとして、手術中に音楽を流すということをしていました。病院の方で用意しているCDもあるということだったのですけど、持ち込みもOKということでした。なので僕は、大好きな大橋トリオのCDを持っていくことにしました。

実際のところは、パニックにならないよう気を張っていたため、音楽を楽しむ余裕はさすがにありませんでした。ただ、手術中に大橋トリオの歌声はしっかりと僕の耳に届いていました。なので、僕の心の支えにはなってくれたんじゃないかなと思っています。

大橋トリオにハマったきっかけ

もともとは秦基博が好きで、秦基博とのコラボ曲「モンスター」を聴いたのが大橋トリオを知ったきっかけです。

当初は、どちらかというと秦基博の曲を多く聴いていたのですが、だんだんと大橋トリオの曲を聴くようになっていきました。

ライブも観に行きたいと思うようになったので、ネットでライブ情報を調べました。だけど、その年の東京公演はすでにソールドアウトしていました。来年までおあずけかと諦めかけたところ、仙台の公演がまだ空いているのを見つけました。

わざわざ仙台までいくのはどうなのかと、だいぶ悩みました。でも、病気が悪化してライブに行けなかったら後悔するかもしれないと思ったら、どうしても行きたいという気持ちが強くなりました。なので、思い切って仙台にライブを観に行くことにしました。2012年のツアーのことです。

初めて観た大橋トリオのライブは、思っていた何倍も良いものでした。本当に最高でした。ホール中に響き渡る声は、CDで聴くのよりもずっと心を震わされました。CDで聴いていた曲も、ライブで聴くとこんなカッコイイ曲あったっけ?と思うほど素敵な演奏ばかりでした。さらには、気づくと手で膝を叩き、足でリズムを取っている自分がいました。今までライブで音楽を聴いていてもそんなことしたことはありませんでしたが、その時はそうしたくてたまりませんでした。そのくらい音楽が楽しいと思えるライブでした。このライブを観たことで、大橋トリオにガッツリと心をわしづかみにされました。

あれから6年経ちますが、いまだに熱は冷めないままです。それどころか、さらに熱量が増した感すらあります。ライブは毎年3,4回ずつくらい行ってます。初めてファンクラブというものにも入って、イベントに参加するためにわざわざ九州まで足を運ぶこともありました。今では大橋トリオの音楽を聴くことは生きていく上での楽しみの一つとなっています。一日たりとも大橋トリオの曲を聴かない日はないくらいです。

もし病気じゃなかったら、あの時、思い切って仙台に行こうとはならなかっただろうなと思います。ハマるのが数年後になっていたか、いつか行こうと思ったままライブに行かずにいたかもしれません。そう考えると、あのときライブに行っておいて本当に良かったなと思います。やりたいと思ったことは、やれるうちにやっておいたほうが良いんだということを実感しました。

思い入れのある曲

生まれた日

この曲は、入院する直前のライブでアンコールの最後に歌った曲です。すごく好きだったので入院前のライブでぜひ聴きたいと思っていました。

実は、その年のツアー初日の新潟で行われたライブにも行ったのですが、その時のラストはこの曲ではありませんでした。なので、このツアーでは「生まれた日」は聴けないのかぁと、ちょっと残念に思っていました。

ですが、東京で行われたツアーファイナルではラストの曲が「生まれた日」に変わっていました。ピアノでイントロを弾き始めた時にあれ?と思って、少し経って「生まれた日」だとわかった時はテンションが上りました。

もしかしたらこのツアーが自分にとってライブを観に行ける最後になるかも知れないと、ほんの少しだけですが思っていました。なのでこの曲を聴けたことにとても感動しました。

今まで起こった全てが
私をつくる材料だから
本当の私は今また
もう一度生まれてくる
この場所で

-「生まれた日」より

はじまりの唄

この曲は、退院した次の年にリリースされたアルバムに収録されている曲です。そのアルバムの中でも一番のお気に入りです。もちろんその年のツアーでも演奏されました。

退院して、ツアーをまた観にこれられたということもあって、一段と思い入れが深くなりました。

ちなみにこの曲は、テニスの錦織選手がインタビューで試合前に聴く曲として挙げていたものだったりもします。

涙涙おしよせないで
もう笑って生きていたいから

-「はじまりの唄」より

映像は、熊本地震に被災した方のためにツアーのリハーサルのときに弾き語りをしたのをスタッフが撮影したものだそうです。とても心落ち着く歌声です。ぜひ聴いてみて下さい。

 

この記事は個人の体験に基づいて書いたものです。病状などは人それぞれ異なるものなので、気になることがあったら必ず、主治医に確認してください。本ページについてご質問等ありましたらお問い合わせページからお願いします。

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