2008年に脳腫瘍が見つかり、2015年に覚醒下手術で脳腫瘍(G2乏突起膠腫)を摘出しました。現在は、経過観察中です。ただ僕の場合、今の医療技術では完治とかそれに準ずる状態にはならなそうなので、死ぬまでこの病気と付き合うことになりそうです。そういった状態だからかもしれませんが、今後、自分は病気とどのように付き合っていこうかということを考えたことがありました。
自分の力ではどうしようもないこと、自分の力でなんとかなりそうなこと
病気と一生付き合うのかと考えていたら、改めて、自分の力ではどうしようもないことって沢山あるのだなと気づきました。死ぬことは絶対に避けられないですし、いつ死ぬかもわからないし、病気になるのもどうしようもないことです。そういったこと以外にも、他人の気持ち、入試やスポーツの結果なども意のままにはできないことです。
これまでは、そんなこと当たり前すぎて、わざわざ考えることもしなかった気がします。死ぬこと以外は、一応、期待する結果になるように確率を上げることはできると思います。ただそれも確率を上げるだけであって、やはり世の中は思い通りにならないことばかりだなと思いました。
逆に、自分の力でなんとかなりそうなこととは何だろうかということも考えました。これについては、僕は自分自身の行動をコントロールすることだと思います。
例えば、手術する・しないとか、どういった治療を選択するとかは自分がコントロールできる範囲にあります。
ただ、人には心理的なハードルによって思うように行動できないこともあります。そうなるとコントロールできるとは言えないのではないかという意見も出てきそうです。
しかし、ハードルがあったにせよ動かないことを自分自身が選択していると考えれば思い通りになっているとも言えるので、結局は自分自身の行動はコントロールできるものと考えて良いのかなと思いました。
病気に負けないために
僕が抱える脳腫瘍も、完治するための治療法がないので、完治しないという点においては僕にとってどうしようもないものの一つです。
そこで病気と付き合っていく上で、病気に負けないために自分ができることは何だろうかということを考えました。病気に対して勝ち負けはないと思いますが、あえて負けない状態とは何かと考えると、病気の影響を受けずに納得のいく人生を送れている状態なのかなと思いました。
病気に負けない状態=完治すること、だと考えるほうが普通です。でも、僕がそこを目指さないのは、自分ではどうしようもないことに固執するよりかは、納得いく人生を送るという自分次第でどうにかなりそうなことの方に集中するのが良いと思ったからです。
では、納得いく人生を送るとはどういう事なのだろうかと考えると、今はまだ(もしかしたらずっと)試行錯誤中ですけど、自分がやりたいこと・やるべきことに没頭する時間を多く持つことかなと思っています。
何かに没頭するというのは自分の行動なので、自分がコントロールできる範囲にあるように思えます。また、別記事(【15】退院 「退院してみて思うこと」の項目)でも書きましたが、手術などの経験を通して、僕は、目の前のことに集中することができれば結果にかかわらず納得感を得られるんだということを実感しました。
なので、それができれば病気が自分の人生に与える悪影響も最小限に抑えられ、病気に負けない人生を送れたと言えるのではないかと考えています。
念の為に言っておくと、受け取りようによっては納得いく人生を送ることだけに集中していれば、治療しなくても良いのかなと思われたりするかも知れませんが、そういう事ではないです。完治を目的としていないだけで、それ以外(例えばQOLの確保など)を目的として診察や検査を受けたりすることは、自分にとってやるべき事なので、それは当然行います。