先日、ネット番組で医療用大麻解禁に賛成か?反対か?について議論をしている動画を見ました。ときどきメディアなどでも取り上げられているテーマなので、こういった問題があるということを聞いたことがある人も少なくないと思います。
僕自身も、がん治療にも役立つ可能性があるらしいということは知ってはいたので、この件についての興味は多少ありました。
ただ何が問題なのかはよくわかっていませんでした。賛成でも反対でもなく、なんとなく治療に有効なら医療用として手段の一つに加えてもいいかもくらいの認識でした。
でも、動画を見れば少しは理解が深まるかと思ったのですが、いまいち納得いく情報を得られませんでした。この手の番組にありがちな、自分の主張だけを一方的に言って相手の質問に全く答えないような感じであんまり参考になりませんでした。
ということで、簡単にですけどちょっと自分で調べてみることにしました。
東京都病院薬剤師会のHPにあった記事(医療用大麻と大麻規制について)より抜粋
医療用大麻とは,特定の疾病において大麻使用を認めることだけでなく,医療用に抽出された大麻成分や,創薬により合成されたカンナビノイド受容体作動薬などを含むとされている。
日本の大麻取締法では大麻草の成熟した茎,及びその茎から作られる繊維などの製品(樹脂を除く)と,大麻草の種子及びその製品は大麻の規制対象から除かれているが,大麻から製造された医薬品の施用は何人も禁止されている。そのため,研究であっても医薬品の開発を目的としての人への臨床試験は認められていない。
緩和ケア医師が書いた記事(医療大麻は本当に効くのか? 緩和ケア医が解説。)より抜粋
医療大麻の手を借りずとも十分な症状緩和が可能な場合は多くあります。ここに新たに大麻の派生薬が加わった時に、あるいは組み合わされた時に、さらなる効果を得られるかというところが大切であり、「がん領域において、既存の薬は総じていまいちなので、それらを押しのけて医療大麻が最大の解決になる」というわけでも現状はないのです。
大麻から抽出した成分を利用した薬も人に使えないというのは初めて知りました。これらの記事を読むまでは、効果がある成分がわかっているならそれを利用した薬を作ればいいだけなんじゃないの?と思っていたので、それができないというのは意外でした。たしかにその部分に制限があるのは問題がありそうな気もします。
ただ、これらの記事を見る限りでは、大麻の医療利用についてはまだまだ研究段階であり、賛成派の人が主張するほどの有効性はまだ確認できてなさそうだなという印象も受けました。そもそも研究することすらままならない状況なのに、医療用に有用だから解禁すべきだという主張は根拠に乏しい気がします。
ということで、とりあえずの結論としては、医療利用のための研究は進められるようにした方が良いけど、現段階では(医療用としても)大麻自体を解禁して流通させる必要性は感じないかなというのがこの問題に対する僕の意見ということにしようかなと思います。