すでにいろんな人に言い尽くされていることだとは思いますが、僕も病気の体験を通じて「ありがとう」という言葉の力を改めて感じました。
脳腫瘍の摘出手術を行うことが決まり病気のことを友達にどう伝えればいいのだろうかと、とても迷っていた時期がありました。集まって遊ぶ機会は何度もあったのですが、喋るのが得意な方ではないのでどう切り出していいかがわからず。また、おめでたい話題でもないので暗くなるであろう雰囲気をどう取り繕えばいいのかもわからず。。。結局、ずっと言えずにいました。
結果として、直接言った方がいいんだけどと思いながらも、多くの友達には入院する少し前にFacebookなどを通じて報告することにしました。
突然の報告に大変驚かせてしまったのですが、ありがたいことに応援や励ましのメッセージを沢山くれました。さらには、Facebookを通じて自分の手術を知った久しく連絡を取り合っていなかった学生時代の友人・先輩・後輩などからも沢山の応援メッセージをいただきました。とてもとても嬉しかったです。
そういった沢山のメッセージに対して、せっかく応援してもらっているのに弱音を吐いてもしかたがないと思い、できるだけ前向きな言葉とともに感謝の気持ちを込めて「ありがとう」と返していました。
そうやって一つ一つのメッセージに返信することで、結果的に「ありがとう」という言葉を何度も繰り返すことになりました。そうしているうち、不思議と気持ちが落ち着いてくるように感じました。さらには、気持ちがだんだんと前向きになってきたようにも感じました。
病気になったからなのかどうかわかりませんが、もし1時間後に死ぬとしたら、その1時間で何をするか?といったことを想像してみたことがありました。1時間しかないのでできることは限られます。そして、本当に必要だと思うことしかできません。
そんな時、自分だったらたぶん親しくしてくれた人たちに「ありがとう」と感謝を伝えるだろうなと思ったりしていました。手術前に「ありがとう」とみんなに伝えたことで自分の気持ちが前向きになれたのは、やることはやったので後は手術に向けて集中するだけだという気持ちになれたからなのかなと思ったりします。