毒を以て毒を制する

僕はこれまで二度、脳腫瘍の治療を行ってきました。1度目は2015年、この時は手術のみでその後は経過観察となりました。2度目は2020年、この時は手術と抗がん剤治療を行いました。

僕が抗がん剤治療をしてみて思ったのは、抗がん剤治療というのはまさに毒を持って毒を制する治療法だなということです。

僕が使用した抗がん剤はニドランという薬でした。この抗がん剤は、投与した直後から体が重く感じるようになります。治療が終わって会計で列に並んで待っているのも苦痛に感じるくらいでした。そこから家に帰るまでの移動もずーんと体が重いようなダルいような感覚を感じながら帰宅していました。

そこからだいたい5日くらいはダルさを感じながらの生活になります。その期間が終わるとあまりダルさは感じられなくなるのですが、便秘とか吐き気とかの消化器系の症状に悩まされました。

ニドランは症状として現れる副作用が比較的軽いものだったのですが、その代わり血液に影響があり、血小板、白血球、赤血球がのきなみ基準値以下となりました。(ちなみに抗がん剤の投与が終わって1年経っても白血球は基準値以下のままです)

そのため医師からもインフルエンザなどには絶対にかからないようにと言われていました。感染症にかかると重症化する危険があり命に関わるからです。

脳腫瘍のようながんの治療にはこういったリスクや副作用を抱えながら行うもので、まさに毒を以て毒を制するとはこういうことだなと思わされました。

そして病気の程度(グレードなど)が悪くなればなるほど使用する薬も強くなるわけで、その分さらに副作用に悩まされることになるのだと思います。

しかも、そうやって苦しい思いをしたからといって必ず完治するというわけではなく再発してしまうこともしばしばです。

苦しい思いをして治療したのに完治しないのはやっていられないと思ってしまうこともあるでしょう。逆に1日でも延命できるのであればどんな苦痛でも乗り越えられると思える人もいると思います。

その辺はそれぞれの事情とか人生観によって感じ方が変わるものだと思います。薬によって得られるメリットから薬によって受けるデメリットを引いて残るものにどの程度価値を感じるかによって治療の選択を行っていくのがいいのかなと僕は思います。

僕自身は今はまた経過観察期間に入っていますが、再発とかにまたなってしまったら自分の生き方に沿った選択をしたいなと思います。

この記事は個人の体験に基づいて書いたものです。病状などは人それぞれ異なるものなので、気になることがあったら必ず、主治医に確認してください。本ページについてご質問等ありましたらお問い合わせページからお願いします。

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